海域アジア・オセアニア研究
Maritime Asian and Pacific Studies
東京都立大学拠点

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2023年6月30日:講演会「ブラジル移民青年隊にみる沖縄出身戦後移民の特性―南洋群島引揚者との関わりを意識して―」花木宏直(関西学院大学)を開催しました

2023年6月30日:講演会「ブラジル移民青年隊にみる沖縄出身戦後移民の特性―南洋群島引揚者との関わりを意識して―」花木宏直(関西学院大学)を開催しました

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2023.6.30

日本語研究活動


海域アジア・オセアニア研究プロジェクト東京都立大学拠点の研究活動の一環として、花木宏直氏(関西学院大学)を招いて講演会を開催しました。このイベントは東京都立大学南大沢キャンパスの会場とウェブ会議システム(Zoom)を併用するハイフレックス方式で行われました。

 

日時:6月30日(金) 17:00~19:00 

会場:東京都立大学南大沢キャンパス1号館206教室

発表タイトル:「ブラジル移民青年隊にみる沖縄出身戦後移民の特性―南洋群島引揚者との関わりを意識して―」花木宏直(関西学院大学)

 

発表要旨:

 沖縄では近代より多数の海外移民を送出し,第二次世界大戦に伴う中断を挟んで,戦後も南米を中心に移民を送出した。本発表では戦後移民の1つであるブラジル移民青年隊を取り上げる。この事業は19501960年代に行われ,公募移住により農業開拓を目的として計300人を送出した。そして,戦後移民の送出をめぐっては南洋群島引揚者が推進に関与していたことや,ブラジル移民青年隊員に少なからず南洋群島引揚者が含まれていたことが確認できる。さらに,ブラジル移住後は農業を経て都市で商業に従事し,1980年代以降には日本本土へデカセギに行った。主なデカセギ先は神奈川県横浜市鶴見区であり,ここには沖縄県出身の南洋群島引揚者が多数居住していた。本発表はブラジル移民青年隊員の居住地移動を通じて,沖縄出身戦後移民の特性を南洋群島引揚者との関わりに注目し検討することで,第二次世界大戦前から戦後を通じた沖縄―オセアニア―南米―日本本土間の地域間関係の一端をみいだしたい。